【レビュー】NITTO S92 Seat post
Breezer Inversionのハンドル周り、シートポストはNITTO(日東)で揃えました。
予算も上限があるので、カーボンパーツには手を出さず、アルミのパーツで。
アルミといったらThomsonのポストとステムでしょ、と行きたいところ。
ですが、Breezer Inversionに使われているパイプは実は日本製。
だったらそこは日本が世界に誇るNITTO(日東)がいいんじゃない。
こんにちは、人見知りぼっちサイクリストの管理人です。
てなわけで、今回はNITTO(日東)のシートポストS92のレビューを紹介します。
NITTO 日東 S92 φ27.2 300mm Black
MTB用としてラインナップされているオフセット量0mmのモデルです。
2020年時点で、NITTO(日東)のシートポストで唯一、ブラックカラーが選べるモデルでした。
アルミ鍛造製でボルト2本を使って固定するタイプのシートポストです。
同様の固定方法のシートポストではThomson Elite seat postが人気ですね。
Thomson Elite postはアルミの塊を削り出したシャープな美しさがありますが、Nitto(日東) S92は鍛造部品を磨いた艶が綺麗です。
アルミのパーツは艶のないブラスト処理+アルマイト仕上げが表面処理的には理にかなっていると思いますが、私は、艶のある切削仕上げや磨き仕上げが、いかにも金属部品らしくて好みです。
ヤグラの加工精度が高く、角度調整がしやすい
シートポストの上に乗っかっているクランプ部の仕上げが美しく、またボルトを緩めるとクランプ部が滑らかに動きます。
以前、同様の固定方式の安物シートポストを使っていたのですが、サドル の角度を変えようとしても、カクカク、かちゃかちゃと引っかかるように動くため、狙った角度で上手く止められず、イライラした経験があります。
ボルトを緩め、サドルの角度を決めたら、均等に2本のボルトを締めていけば、狙った角度で固定することができますし、前後のボルトの締め具合で角度を微調整することもできます。
M7ボルト2本クランプでサドルをガッチリ固定
通常、シートポストの固定ボルトはM5が使われていることが多いですが、NITTO S92はより太いM7ボルトが2本使われています。6mmのアーレンキーが必要です。
あくまでフィーリングですが、ボルトが締まった時の手応えが明確で、2本のボルトでかなりガッチリとサドルが固定されている印象があります。
クランプ部からの軋み音も皆無ですし、強度的にも、ちょっとダート路面で遊んでスっ転んだ程度であれば全く問題なさそうです。
振動吸収性は期待できなさそうですね。その分、サドルやタイヤなど、他の部分の良し悪しがわかりやすいとも言えそうです。
ちなみに、カーボンレールには非対応です。
サイドのレーザー彫刻 NITTO ロゴがアクセント
パッと見た感じでは2000円程度のアルミポストと大差無い地味なデザインですが、左右サイドにNITTO S92と刻印されてます。レーザー彫刻だそうです。
Breezer Inversionはコンパクトなフレームなので、シートポスト突き出し量が多めですが、小ぶりなロゴが良い感じのアクセントになってます。
重量はちょっと重めの300gオーバー
重量は319gと重いです。アルミのそこそこ手頃なモデルでも200g台前半、カーボンなら200gを切るモデルもある中で、300gを超えています。
今は気にしてませんが、車両全体の重さが気になってきたら、軽量なものと交換すると効果が大きそうです。
まとめ
「日本が世界に誇る自転車部品メーカー、NITTO(日東)」というフレーズ、納得です。
高品質で、危うさを感じさせない頼もしい造りのパーツという印象です。
同じくNITTO(日東)のハンドルバー/ステムと併せて、Breezer Inversionのしっかりした走りを支えてくれているように思います。
軽さが大事な方や振動吸収性を求める方にはお勧めできませんが、造りの良さや精度にこだわる方や、パーツにタフさと剛性感を求める方にはおすすめできる逸品です。
(おまけ)シートポストの選び方
簡単に自転車のシートポストの選び方を。
シートポストのサイズ・寸法の確認が必要なポイントは次の通りです。
外径:パイプの直径です。自転車のフレームによってサイズが異なります。同じ自転車メーカー・ブランドでも、モデルや年式によって異なるケースもあるので、フレームに合うサイズをしっかり確認しましょう。
27.2mm・30.9mm・31.6mmが多くみられますが、中には26.8mmや27.0mmといったサイズも存在するので注意が必要です。また、フレームに対してシートポストが細い場合には、シムと呼ばれるスペーサーで対応することも可能です。
長さ:シートポストの下端から、サドルが取り付けられる部分(クランプ・ヤグラ)までの長さです。250mm〜400mm程度の範囲でモデルごとに長さのバリエーションを持っていることが多いです。
ロードバイクの場合、トップチューブが水平に近いモデルで250mm、トップチューブが傾斜したスローピングフレームであれば300mmぐらいの長さで対応できるのが一般的かと。
フレームから突き出す長さに加えて、フレーム内に収まる長さも考慮して長さを選びましょう。短すぎるシートポストを使用し、フレームに対して十分な差込み量を確保できていない場合、シートポストやフレームが破損する恐れがあるので注意が必要です。長すぎる場合には、カットして対応することもできるので迷ったら私は長めを選んでいます。
オフセット:シートポストの軸からサドル取り付け部の中央までの距離を示す数値です。シートポスト軸に対してサドル取り付け部分が0mm〜25mm後ろに設定されているシートポストが多いです。
メーカーによって、同じモデル名の中でオフセットのバリエーションを持たせているケースと、オフセットの有無や量の違いで、モデル名を分けているケースがありますね。
シートポストを交換される場合には、現在サドルが固定されている位置を確認し、サドルのレールに記載されている取り付け位置の範囲内におさまるように選ぶと良いです。
ヤグラ・クランプの形状と固定方法:サドルを固定する部位の形状と固定方法です。
形状は使用するサドルのレールのサイズ・方式と合っているかを確認しましょう。通常、金属製のサドルレールは7mm x 7mmのパイプが使われており、ほとんどのシートポストがそのサイズに対応しています。
一方でカーボン製のサドルレールは7mmx9mmなどの楕円形状のものがあり、そもそもヤグラにハマらない場合もありますし、ハマったとしてもサドルレールを点で支えるような構造だと、そこから破断するケースもあります。カーボンレールのサドルの導入を考えている場合は、シートポスト側の対応有無を確認しましょう。カーボンレールに対応させる交換部品を準備しているシートポストもあります。
固定方法は、上の図のようにボルト1本で固定できるものや2本使うものがあったり、左右方向に締め付けるものや上下方向に締め付けるものなど様々あり、個性を主張するポイントです。この部分の作り方で重量/軽快感や強度/剛性が大きく変わるようで、様々な形状や方式が考えられています。
ただ、中には軽さや強度、あるいはコストを優先したせいか、サドルの取り付け易さや、サドル位置・角度の調整のし易さが犠牲になっているものもありますので、ショップの方のアドバイスや口コミなど確認し、取り付け手順や角度調整の手順がイメージできるようにしておくと良いと思います。