【レビュー】Panaracer Gravel King SS 700 x 32C TLC

2021-07-10

基本舗装路でルートを組むんだけど、途中、未舗装路の区間がちょいちょい現れる、というような環境では、舗装路の軽快さを最大限維持しつつ、未舗装路の区間も楽しめるようになるタイヤかと。

こんにちは、人見知りぼっちサイクリストの管理人です。

今回はBreezer Inversion TEAMに履かせているタイヤ、Panaracer Gravel King (パナレーサーグラベルキング) SS 700 x 32C TLCのインプレです。乗り心地の印象やおすすめの空気圧を紹介します。

Breezer Inversion

自転車全体としての乗り味はこちらの記事でまとめています。

Panaracer Gravel King(パナレーサー グラベルキング)

その名前の通り、国産ロードタイヤメーカー・パナレーサーのツーリング向けタイヤのシリーズでグラベルロードバイクの定番タイヤの一つです。

以下スペックの組み合わせで10バリエーションがあります。

  • 小さなブロック状ノブパターンのSK(Semi Knob)、ほぼスリックのノーマル(無印)、センター部がスリックでサイドに小さなブロック状のノブパターンのSS(Semi Slick)
  • チューブを入れて使用するチューブドモデル と チューブレスコンパチブルモデル
  • 耐パンク性能を向上させた「Plus」モデル と ノーマル(無印)モデル (SSのPlusモデルは無し)

Gravel King SS 700x32C チューブレスコンパチブル

僕はPanaracer Gravel King SS 700x32C チューブレスコンパチブルをチョイスしました。色はクラシックというか、カジュアルな雰囲気にしたくてブラウンサイドです。

Breezer Inversion Gravel King SS 700x32C
Breezer Inversion Gravel King SS 700x32C

Breezer Inversion TEAMはカタログ上700 x 38Cまでの太さのタイヤを履けるので、いっそ38Cにするか?と迷ったのですが、もともと新しい自転車を欲しいと思ったきっかけが、舗装路を軽快に走りたい!だったので、グラベルロードとしてはやや細めの32Cを選びました。

グラベルキング SS 32Cで走ってみると

舗装路がメインで、途中、河川沿いの自転車道や農道・林道の舗装が途切れた砂利道でグラベルライドをちょっと楽しむといった走り方では、32Cがちょうど良かったと思います。

舗装路の平坦区間では、特にペースを意識せず淡々と漕いで25km/hぐらい。少しペースを上げても30km/hぐらいは、無理なく漕ぎ続けられるので、気持ちイイと思える速度でいつまでも河川敷サイクリングを楽しめますセンターのスリック部分が良い仕事をしてくれている印象です。

タイヤだけが要因ではないですが、35km/hの巡航となると、僕の脚力ではちょっとキツイです。

グラベルロード

未舗装路では、普通のクルマが走れるような踏み固められた砂利道だと、特に気を使うことなく走れます。元MTB乗りの僕はむしろ、楽しくてペースがあがっちゃうぐらい。

こぶし大の石が転がっていたり、岩盤や木の根が露出しているような路面になると、スピードやラインどりに気を使います。こういう時は太いタイヤが欲しくなります。

グラベルキング SS 32Cの乗り心地は

空気圧の差でかなり印象が変わります

Breezer Inversion Gravel King SS 700x32C

空気圧が高すぎるとゴツゴツと硬めのショックが伝わり、そのショックが抵抗になっているのか、路面によってはスピードも乗りにくかったり、落ちやすかったり綺麗な路面では当然ですが、軽やかに進んでくれますし、バイクを左右に振った反応も良く、ヒラヒラと軽快です。

また逆に、空気圧が低いとショックは減り未舗装路でのグリップ感、安心感が増しますが、接地面積が増えるせいか、舗装路では意外と細かいザラザラ・ゴロゴロとした振動が増える感覚があります。また、上りや加速などでトルクをかけると漕ぎも重たくなり、またバイクを左右に振った時の反応も鈍重で印象が良くありません。

チューブレスで使っているので、グラベルでは低圧のグリップとショック吸収性良さを活かしたいところですが、走行距離・時間では舗装路の比率が高いので、常に低圧では僕の体力が持ちません

高圧と低圧の中間に、路面の小さな凹凸をフワフワと上手く吸収し滑らかに、かつ、変に反発せずスルスルと進む漕ぎの軽さ感じさせる美味しい空気圧があるように感じます。これはチューブレスの特性による部分もあると思います。

参考までに、僕の体重(約65kg)とエアゲージだと、美味しい空気圧は、フロントが260kPa、リアが280kPaくらい。リアを少し高めにして漕ぎの軽さ維持しつつ、フロントは振動吸収性とグリップ感が良い感じです。

300kPaだと少し硬さが目立ち始めます。一方で、240kPaだと漕ぎの重さを感じ始め、220kPa辺りまで下げると前述のザラザラ・ゴロゴロした感じと、左右に振った時の鈍重な感じが出てきます。
グラベルだけなら220kPa付近がちょうど良いのですが。

ちなみに、チューブレスでの推奨最大空気圧は400kPaです。

BREEZER INVERSION 2020

グラベルキング SS 32Cのコーナリングの印象は

センター部分がスリック、サイド部に細いライン状のノブ、その間を菱形のノブで埋めるようなパターンですが、舗装路のコーナーで車体を寝かせていっても、不自然なグリップ感の変化は感じられず、自然に曲がっていける印象です。

下りの大きなカーブのように、高い車速で車体を寝かせて走るような場面では、若干ハンドル操作に対して反応が曖昧な印象がありましたが、個人的には特に気にするレベルではありません。

気になるのは、トレッド面にびっしり生えたヒゲ。スピュー(Spew)と呼ぶそうです。写真は1500kmほど走ったタイヤですが、フロントはもちろん、リアもサイド部分は結構ヒゲが残っています。走っているうちに取れてなくなっていくだろうと思ってましたが、意外となくならず、地道にカットしようかなと思う今日この頃です。

Breezer Inversion Gravel King SS 700x32C
Breezer Inversion Gravel King SS 700x32C

まとめ

だらだらと思ったことを書いてしまいましたが、グラベルキング SS 32Cは総じて良いタイヤだと思います。特に、僕が住んでいるような田んぼや畑に囲まれた地域のように、基本舗装路でルートを組むんだけど、途中、未舗装路の区間がちょいちょい現れる、というような環境では、舗装路の軽快さを最大限維持しつつ、未舗装路の区間も楽しめるようになるタイヤかと。

25Cや28Cといった純粋なロードタイヤと比べると、走りの軽さ、速さで劣るのは明らか。なので、むやみに空気圧を上げて、走りの軽さを求めるより、このタイヤの得意なコンディションを見つけてあげて、その範囲を目一杯楽しむ、という使い方が正解のような気がします。

また、舗装路はあくまでアプローチ、林道やシングルトラックでのグラベルライドを100%楽しみたい、という場合には、より太い38Cや43C、また、路面によってはセミスリック(SS)ではなくセミノブ(SK)を選んだ方が良いのだろうと思います。

最後までご覧頂きありがとうございました。

自転車全体としての乗り味はこちらの記事でまとめています。(2度目)