【考えごと】フロントシングル化?のあれこれ

2021-06-27

トップギアとローギアのレンジだけを見れば、成り立ちそうなフロントシングルでしたが、最も頻度の高い常用域でのギアの繋がりが悪くなるデメリットに気がつき、1台でいろいろ楽しみたい&楽にのんびり長い距離を走りたい僕には、フロントシングルではなく、フロントダブル、リアをロー側に寄せたクロースレシオのスプロケの組み合わせがベストっぽい、という結論に至りました。

こんにちは、人見知りぼっちサイクリストの管理人です。

今回は、現在画策しておりますBreezer Inversionのフロントシングル化?に関する話題です。

僕の走り方に適切なギア比とは?そしてそれを実現してくれる機材はなんじゃろか?と考えたこと、調べたことを備忘録的に書いてみたいと思います。

現状はフロント50-34T x リア11-34T

現在の唯一無二の愛車、Breezer Inversion TEAMを組むにあたって、かなり悩んで選んだギアの組み合わせは、フロント50-34Tのコンパクトクランクに、リア11-34Tスプロケットワイドな組み合わせ

いわゆる、「超乙女ギア」ってやつですね。

このローギアに振ったチョイスは、運動不足解消のために自転車を再開した僕にとっては、間違いではなかったと思います。

Breezer Inversion TEAMを購入後、ひと月立たないうちに、無謀にもチャレンジした栃木県鹿沼市の粕尾峠〜古峰ヶ原高原へのヒルクライムを、ヨチヨチながら足つきせずに完走できた達成感と成功体験は、その後、飽きずにサイクリングを続けるモチベーションにつながっている気がします。

次はもっと遠くのあそこまで行ってみよう、とか、このルートも頑張ればいけるんじゃないか?行ってみよう、とか。

てな感じで、あっちこっち走り回って、お決まりのコースなんかも出来てきて、ふと気がつきました。

スプロケ、トップ側の2枚、出番無くね?

全く使ったことが無いわけではないですが、極端に出番が少ないです。

僕の巡航速度は25〜30km/h。下りでもガンガン漕いでいくような走り方はせず、足を止めて休みたいタイプです。せいぜい足が冷えないように、クルクル回す程度です。

時折、止むを得ず入ってしまった流れの速い幹線道路や、工事で片側交互通行になっている区間などで、チンタラ走っていると、ひんしゅくを買うような場面があるので、そこでは頑張って漕ぐのですが、それでも40km/hほど。50T(アウター)x15T(トップ側3枚目)で十分出せる速度です。

そこで頭に浮かんだのが、フロントシングル

というか、やっぱりフロントシングルだったかな、というのが正直なところ。

と言うのも、Breezer Inversion購入時点でフロントシングルで組む事も考えていたから。

結局、脚力に自信がないので、安全側でフロントダブルのコンパクトクランクx超乙女ギア仕様にしたのですが、それが間違いでなかったと思っているのは前述の通り。

とはいえ、フロントチェーンリングを38Tのフロントシングルにした場合、トップのギア比は3.45で、ケイデンス100で回せば速度は45km/hになる計算。これで十分。一方、最ローギア比1.12は、ローギアが一枚減るのとほぼ同じで、なんとかなりそう。

何より見た目がスッキリしてカッコいいハズ

常用域をみてみると・・・これは罠かも?

トップとローの両側が成立しそうなので、冷静に常用域をみてみましょう。

ギア比の比較ではイメージしづらいので、ケイデンスを固定し車速に換算したグラフを書いてみました。

下のグラフは、僕の楽なケイデンス80の場合の車速をスプロケットの歯数毎にプロットしたものです。青とオレンジが現状のフロントダブル(50-34T)、黄色がフロントシングル(38T)のプロットです。

先ほどの通り、アウター50x15T相当の車速がトップギアで、インナー34x30T相当の車速がローギアで出せるのがわかります。

注目なのは25〜30km/h付近の常用域。現状30.4km/h→27.2km/h→24.6km/hと繋がっていたものが、フロントシングル38Tでは、30.2km/h→26.2km/h→23.1km/hと、よりワイドになっています

これは嬉しくない。

普段のライドで大きな割合を占める平地の巡航で、ちょっとした勾配や風向きによって、ちょっと重すぎるとか、軽すぎると感じることがあります、よね。

僕はあります。というか、かなりある。

ということは、使ってないギアがあることよりも、このちょっと重すぎとか軽すぎと感じる場面を減らす=よりクロースしたギアを手に入れる方が、幸せになれる様な気がしてきました。

要求を整理すると、フロントダブル x ジュニアギア(14-28t)

ここまでで一度、要求を整理してみると次の通り。

  • 常用域25〜30km/h要求:できるだけクロースなギア構成がいい
  • ヒルクライム要求:ロー側で必要なギア比は1.1くらい
  • 最高速要求:トップ側で必要なギア比は3.4くらい

この要求を満たすには、まずクロースレシオのスプロケットを選ぶ必要があります。

シマノのサイトでチェックすると、105グレードでトップとローの歯数差が少ないスプロケは12-25T

試しにアルテグラグレードを見てみると、同じく12-25Tがあり、その下に14-28Tという組み合わせがあります。

調べてみるとジュニアギアと呼ばれるそうで、高校生など若い選手が負荷をかけ過ぎて怪我や故障をしないために設定されているルールに対応したギア比だそう。

また、このローギア側でクロースな組み合わせから、ロングライドやツーリング派、またヒルクライム派の方にも愛用者が多いらしい。

これだ、見つけた。14-28T(ジュニアギア)。

このギアで残るヒルクライム要求と最高速要求を満たそうとすると、フロントはやっぱり2枚必要で、その組み合わせは、46-30T。今後の体力Upを期待できるなら、48-32Tも選択肢になるかもしれません。

46-30T
48-32T

25〜30km/hの常用域の各ギア比が近づき、アウタートップも、インナーローも、狙いのギア比が確保できそうです。

まとめ

トップギアとローギアのレンジだけを見れば、成り立ちそうなフロントシングルでしたが、最も頻度の高い常用域でのギアの繋がりが悪くなることに気がつき、1台でいろいろ楽しみたい&楽にのんびり長い距離を走りたい僕にはフロントシングルではなく、フロントダブルにロー側に寄せたクロースレシオのスプロケの組み合わせがベスト、という結論に至りました。

いま流行りのフロントシングル 。見た目はすっきりしてかっこいいし、フロントメカが無ければ当然メカトラブルも起こらない。スプロケもワイドな物を選べば、高速から低速までカバーできるし、ガチじゃなきゃフロントシングルで十分、とかメカトラブルのリスクが減り、部品の交換方法も簡単なので、初心者にもおすすめのカスタマイズ、的な記事も見かけますが、ガチじゃ無いからこそ、また、初心者だからこそフロントダブルがありがたい、という方もいるんじゃないでしょうか。

ガチで走れる人や、ガチで走れるバイクを別に持っている人にとっては、「ガチで走らない時にはフロントシングルで十分」ってことかもな、と思いました。

というわけで、机上の検討の結果では、僕の走り方ではフロント46-30T x リア14-28T(ジュニアギア)の組み合わせが、最も良さそうですが、現状の50-34Tとジュニアギアの組み合わせでも、常用域のギアがクロースする効果は確認できるはず。

というわけで、スプロケはシマノ アルテグラの11速ジュニアギア一択なのでCS-R8000 14-28tをポチッと購入。リアディレーラーも最大トップ歯数が14Tとなるショートケージ(SS)に交換が必要なので、これも購入が必要。

ひとまずポチった14-28Tギアの交換だけで実走行してみて、フロント側の最適ギアを見極めつつ、フロント側の仕様を決めたいと思います。ロー側がどこまで必要か、が確認のポイントになりますね。

14-28Tのスプロケットに交換し走行してみた感想を書きました。

最後までご覧頂きありがとうございました。

【おまけ】46-30Tのチェーンリング

46-30Tのチェーンリング、クランクセットをリストアップしてみました。
条件はクランクセットの場合はシマノホローテック II用のボトムブラケット(BB)が使える軸径24mm、チェーンリングの場合はR7000系105クランクセットに装着可能なモノを選んでいます。
シクロクロスやグラベル向けとして、選択肢は結構あります。

SHIMANO / GRX FC-RX600-2

まずは天下のシマノ様からグラベルコンポのGRX FC-RX600-2。ロードコンポの105グレードに相当するRX600シリーズの11速対応フロントダブル用クランクセットの歯数構成が46-30Tです。
クランクとチェーンリングのセットで希望小売価格11,675円(税抜)とお安いのが魅力的ですが、チェーンラインが105と異なるのでフロントディレーラーも交換が必要。また、参考重量も806gと105のクランクセット(FC-R7000, 50-34T)より100g近く重くなり、Qファクターも広がります。
ひとクラス上のFC-RX810-2の歯数構成はちょっとハイギアで48-31T。重量は710gとより軽くなり、価格も22,103円とお財布もより軽くなります。


■PCD:110/80mm
■チェーンライン:46.9mm ← R7000 105は43.5mm
■Qファクター:151mm ← R7000 105は146mm
■アクスルタイプ:24mm
■対応BBシェル幅:68mm, 70mm
■クランク長:165 / 170 / 172.5 / 175mm
■参考重量:806g ← R7000 105は713g

SUGINO OX2-901D Compact Plus+

老舗の国産サイクルパーツメーカー、スギノエンジニアリングからはOX2-901D Compact Plus+。歯数構成、クランク長のバリエーションが多く、ロードバイク用なので、チェーンラインやQファクターも105とほぼ同じです。価格は46,000円(税抜)前後と、シマノのフラッグシップDura-Aceに迫る価格です。

■PCD:110/74mm
■歯数構成:52-36T / 50-36T / 50-34T / 48-36T / 48-34T / 48-32T / 46-36T / 46-34T / 46-32T / 46-30T / 44-32T / 44-30T
■チェーンライン:43.5mm
■Qファクター:145mm
■アクスルタイプ:24mm (Sugino IDS24, Shimano HollowtechⅡ互換)
■対応BBシエル幅:68mm, 70mm
■クランク長:160 / 165 / 167.5 / 170 / 172.5 / 175mm
■参考重量:—g

absolute black PREMIUM SUB-COMPACT OVAL 110/4

アルミCNC切削加工で作られた楕円のチェーンリングで有名なabsolute blackから、シマノのBCD110に対応したチェーンリングセットです。価格は25,800円と安くはないですが、交換部品はチェーンリングとボルトだけ、というシンプルさ。また、楕円形状によるペダリング効率の向上も期待できます。3色カラー展開があるのも嬉しいところです。


■PCD:110mm
■歯数構成:46-30T / 48-32T
■参考重量:—g

FORMOSA / CLIMB RING

フロントシングルに対応したナローワイドチェーンリングを手ごろな価格で販売するFORMOSAにも、Climb Ringsというフロントダブルのチェーンリングセットがラインナップされます。absolute black同様、シマノ4アームクランクに対応する上に、価格が10,000円とリーズナブルです。情報が少なく、変速性能や耐摩耗性など気になることはありますが、これが、最有力候補ですね。


■PCD:110mm(4アーム、5アーム)
■歯数構成:46-30T
■参考重量:—g

EASTON (イーストン) EA90 ダイレクトマウントチェーンリング

ハンドルバーやステムで有名なEASTON(イーストン)には、CINCH規格のダイレクトマウント形式のフロントダブルチェーンリングに46/30Tが用意されています。ダブルチェーンリング自体は20,000円(税抜)ですが、CINCI規格のクランクアーム(EA90 : 15,000円税抜 or EC90 SL : 54,000円税抜)が必要。また、24mmアクスルBBには対応しておらず、BB(7,800円税抜)も交換が必要なので、総額5万円〜のコースです。


■PCD:- (CINCI規格ダイレクトマウント)
■歯数構成:47-32T, 46-36T, 46-30T
■参考重量:—g

ROTOR Q-RING OVAL SPIDERING

Q-RINGという名の楕円のチェーンリングとクランクセットで有名なROTORからもダイレクトマウント形式のフロントダブルチェーンリングがあり、コンパクトな46-30Tの歯数構成が設定されています。価格は29,600円(税抜)。EASTONと同様に、クランクセット(Aldhu24:32,600円税抜)とアクスル(7,000円税抜)を準備する必要があるので、8万円近い出費になります。

■PCD:- (OCP Mount ダイレクトマウント)
■歯数構成:53-39T, 52-36T, 50-34T, 48-32T, 46-30T
■参考重量:—g