【紹介】ドライルブを使ったピカピカチェーンの維持方法

ピカピカ・サラサラを維持するポイントは、ドライルブであってもチェーン表面の余分なルブをしっかり拭き取ること。特に注油後、一回目のライドの後の拭き取りが肝心です。

こんにちは、人見知りぼっちサイクリストの管理人です。

今回は、自転車メンテナンスといえば真っ先に思いつくであろう、チェーンのメンテナンスについて、僕が実践している方法を書いてみたいとおもいます。

メンテナンスの方法や頻度、チェーンルブ(オイル)の種類などは、走行状況や使用目的、自転車の保管状況によっても、最適解はさまざまあると思います。また、ルブの種類や銘柄によってフィーリングも変わるので、好き嫌いもあるかと。

今回の記事は、ひとつの例として参考にしていただければと思います。

チェーンの状態はピカピカのサラサラです

僕の場合、自転車に乗ることは完全に趣味なので、雨の日は乗りません。自転車の保管場所は屋内です。

チェーンも、スプロケットやチェーンリングなどのギア歯も表面はサラッとしていて、綺麗な状態を保っています。指で触ってもほとんど汚れが付きませんが、キュルキュル音が鳴ることもなく、シフト操作に対しても、きちんとパシパシ変速します。

使っているチェーンルブはドライタイプの「KURE(呉工業) 自転車専用チェーンルブドライ No.1602

以前は「EVERS PRO(エバーズ プロ) オイル カーボンチェーンスプレー “DRY" 」を使っていましたが、スプレータイプより滴下タイプの方が扱いやすいのと、容量あたりの価格も安いので、最近はKUREのドライルブを使っています。使用頻度が少ない場合はスプレータイプの方が、保存期間は長く持つはずなので、EVARS PROも安くておすすめです。

摩擦抵抗の少なさや、ノイズの少なさ、潤滑効果の持続性など、商品ごとに強み弱みはあると思いますが、おそらく、ドライとかワックス系のチェーンルブであれば、次に紹介する方法で、同じようにサラサラの状態で運用できると思います。

サラサラの状態を維持する運用のポイント

注油後と、各ライドの後にチェーンをしっかり拭くことです。

チェーンの構造を見ると、ルブが浸透していて欲しい部分は、ローラーとインナープレートの接触面インナープレートとアウタープレートの接触面だけです。

スプロケットやチェーンリングのギア歯とチェーンの接点は、主にローラー部分ですが、基本的にギア歯とローラーの間の摺動はごく僅かで、潤滑の必要はあまりなさそうです。

なので、チェーンの外側から見えている部分に潤滑材はほとんど必要なくて、せいぜい錆びない程度にうっすらと油膜があれば十分です。

一方、ドライルブといっても、塗布した部分がカサカサと乾いた状態になるわけではなく、溶剤が乾いた後はグリースに近い潤滑材としてチェーンに残ります。

チェーンの外側やギアにルブがたっぷりついていると、走行中に巻き上げられた埃や砂が付着し、チェーンやギアを削りながら、黒いタール状の汚れとなって、チェーンやギア歯に付着します。

タール状の汚れは、走行中にポロポロ落ちていったり、変速のタイミングなどにギア歯に押されてチェーンのローラー部分に再び練り込まれ、ローラー部分のルブを押し出してしまうらしく、潤滑効果の持続期間も短くなるようです。

というわけで、走行中に巻き上げた埃や砂が付着しないように、不要なルブをしっかり拭き取ることと、走行後にタール状の汚れを拭き取ることが、綺麗な見た目と潤滑効果の持続につながる、ということになります。

メンテナンスの仕方

注油の前にチェーンを洗浄する

自転車を水洗いできる環境ならば、チェーン洗浄はディグリーザーを入れてガラガラ回す奴が簡単で確実だと思います。

チェーン表面の汚れだけでなく、ローラーの内側までしっかり綺麗にする意気込みでグルグルぐるぐる、気の済むまでガラガラがらがら洗浄します。
チェーンを軽く捻って、ジャリジャリとした感覚がなくなるまで洗います。

僕はAZ(エーゼット)の安い「自転車用チェーン洗浄器DX」を使っていますが、パークツールのものは金属片を集める磁石がついていたり、左右両側にハンドルが装着でき反転して使えるなど、価格はやたら高いですが、使い勝手も向上しているようです。

一通り、チェーン洗浄器で洗い終えたら、水でディグリーザーをしっかりと洗い流します。

水洗いが難しい場合や、自転車に水をぶっかけるのに抵抗がある場合には、KURE 556やラスペネなどの浸透しやすいサラッとしたオイルをチェーンに馴染ませた後に、パーツクリーナーなどの洗浄材のスプレーで、溶けた汚れを押し出していく方法がおすすめです。

チェーンの水気を拭き取り、ドライルブを注油する

洗浄後は乾いたタオルでチェーンやスプロケット、チェーンリングなどの水気を拭き取ります。
きちんと洗浄ができていれば、タオルはそれほど汚れないはず。

KUREのドライルブは水置換効果があるので、チェーンの内部まで完全に乾くのを待つ必要はありません
全てのローラーひとつひとつにルブが浸透するように塗布していきます。

注油後、溶剤が乾いたらしっかり拭く

チェーンにルブを塗布した後、10分ほど放置し馴染ませて、ウエスでチェーン表面に残ったルブを拭き取ります。塗布後、一晩おいても別に問題ありません。

ボトルの説明書きには、「チェーンの外側に付いたオイルは拭き取ってしまってOK。」とサラッと軽く書いてありますが、ここで余分なルブをしっかり拭き取ることが大切です。

パーツクリーナーなどを使わない空拭きであれば、ある程度しっかり拭いてもローラー内側やプレートとプレートの間にはルブが残りますし、チェーン表面にもごくうっすらルブが残ります。

拭き取りにはマイクロファイバーのウエスがおすすめ
一回で使い捨てとは言いませんが、束で買うとかなりお買い得です。

まず、チェーンの上下からウエスで掴んで、ローラーに付着したルブをゴシゴシ拭き取ります。
次にリンクプレートをひとつ一つ、ウエスで左右からつまむ様にして拭いていきます。
特にアウタープレートとインナープレートの段差部分にルブが残りやすいので、しっかり拭き取ります。

リンクプレートの内側も、ローラーとローラーの間に2〜3cm幅に切ったキッチンペーパーなどを通して拭き取ります

チェーンリングやスプロケット、ディレーラーのプーリーにも余分なルブが付いているので、こちらもしっかり拭き取ります

ライド後、さらに拭く

注油後、一回目のライド(約60km)後のチェーンの状態です。

注油後しっかり拭き取ったつもりでも、トルクをかけると余分なルブが押し出され、汚れとなってチェーンに付着しています。この汚れを、再びしっかりと拭き取ります。

ちょっと面倒な作業ですが、この一回目のライド後の拭き取りをしっかり行えば、二回目のライド以降のチェーンの汚れはかなり抑えられ、ライド毎の軽い拭き取りで綺麗な状態を維持しやすくなります。

以降、ルブの継ぎ足しはせず、ライド後にマイクロファイバーのウエスでチェーン一周を軽く拭いてやります。

僕の場合、チェーン洗浄&注油のタイミングは、クランクとリアディレーラーの間のチェーンを、自転車の左右方向に指で弾いて、「ブルるるる・・・ん」と、振動がすぐに収まらない状態を目安にしています。きちんとルブが残っていれば、「ブルるん」くらいで振動が収まります。

まとめ

今回紹介した方法は、自転車は屋内保管、雨の日は乗らないという前提で、ドライルブを使ってチェーン表面が極力乾いた状態で運用することで、汚れの付着をできるだけ抑え、チェーンを綺麗な状態に保つ方法です。

ポイントは、ドライルブであってもチェーン表面の余分なルブをしっかり拭き取ること。特に注油後、一回目のライドの後の拭き取りが肝心です。

僕の場合、土埃が舞いやすい砂利道を走る機会が多いので、ウエットタイプのルブだと、すぐにチェーンが真っ黒になってしまい、精神衛生上よろしくない。チェーンがいつも綺麗な状態だと気持ちが良いですし、フレームやディレーラーなど、自転車全体の汚れ防止にも繋がります。

通勤通学で自転車を使っている方や、レースやブルベなどのイベントに参加される方で、雨天時にも自転車に乗られる場合や、屋外で自転車を保管されている場合には、ウエット系のルブを使ってチェーン全体がコーティングされた状態の方が好ましいかと思いますが、雨の日はのらず、保管も屋内という方で、チェーンの汚れに悩まれている場合には、今回紹介した方法を参考にしてもらえれば嬉しいです。

最後までご覧頂き、ありがとうございました。